ローンの基礎知識として、もうひとつの選択肢に生命保険や損保会社が行うローン、貸付制度というのがあります。これについて触れてみましょう。
損保会社などは、オートローンなど銀行に負けず劣らずの低金利、実質年率2.9~3.3%の低金利で提供していますが、それよりも仮に長期契約、積立型損害保険の場合、契約者貸付制度が利用できます。これは生命保険などでもある制度ですが、最大の特徴は保険契約者に対する融資なので、審査というものが実質上無いということです。
保険契約者が解約払戻金の一定の範囲内で貸付を受けることが出来る制度で、資金の使途は問われないフリーローンのようなかたちをとります。あくまでも貯蓄性のあるタイプが対象で、定期保険の様に掛け捨てのタイプのような保険では貸付制度はありません。
貸付の原資つまり元となるお金は「解約払戻金」ということになりますが、貸付金には利息は付きます。この部分は積立であれば、生命保険も損害保険も同じなので、一般的な生保を例にとって詳しくお話しします。
保険契約は積立の場合、通常長期になりますから、一時的に資金が必要となることも想定できるので、契約者の需要に応えるかたちで始ったようですね。保険会社によっても違いはありますが、貸付をした日から1年毎に、貸付日(貸付後の1年毎の月日)として1年ごとに利息を繰り入れ、返済をする時には利息を計算するといった後払い形式が主流のようです。しかしながら、何でまた自分の解約払戻金から利息を取るのでしょうか?
ちょっと難しい話になりますがこれはひとつは相殺予約付金銭消費貸借で、もう一つのがそれが前払いの性質を持っているからだとされています。つまり将来契約上生じる保険金請求、解約払戻金によって相殺したものと考え、保険金及び給付金の支払いに使われるお金の一部前払いという扱いから来るものだそうです。
考えてみれば、元は保険金か解約払戻金として取ってあるお金を、一部貸し出すというわけですから、貸付も保険会社にとっては運営資金であり、将来の保険金の支払いに備え他の資産運用と同じ程度の利率で運用しなくてはならないからで、貸付を受ける契約者とそうでない人との公平を保つために利息を付けなくてはならないとしているわけです。
この制度は、銀行預金のように自分のお金を引き出すといったものではなくて、保険会社が資産運用の一環として適正な利息で貸付を行う制度です。
ただ解約金全額というわけではなくて、おおむね80~90%ぐらいのようです。
参考までにとある生命保険の貸付利息を時期によって示しますと
平成6年4月1日以前加入の契約の場合、年5.75%
平成6年4月2日以後8年4月1日以前加入の契約の場合、年4.75%
平成8年4月2日以後11年4月1日以前加入の契約の場合、年3.75%
平成11年4月2日以後加入の契約の場合、年3.00%
となっており、この利率は変動することもあるようです。
損保会社のローンといえば、代表的なのはやはり自動車の任意保険との絡みで、オートローンが多いですね。借入限度額はカードローンと同じ300万程度が多いのですが、利息は年利3%前後と安いのが特徴です。審査自体も12時間以内と、さすがに保険に入る前に審査がある分非常に迅速ですね。金利は固定なので新車購入などには便利かも知れません。期間は最長5年程度ですから、新車で購入する自動車の価格次第では、他のローンを組む前に考えてみてもいいかもしれません。
その他火災保険の関係で、住宅ローンがありますね。損保会社全般にいえるのですが、契約上どうしても長期契約者数が割合的に少ないせいで、どうしても低い金利にせざるを得ない状況ということもあって、住宅ローンなどは手を引いてるところが多く、比較検討しようにも選べない状況が多くなってきていますね。審査基準としては、通常住宅ローンを組むサイト同じく団体信用保険という、保険会社救済の保険に加入することになり金利がそれに加わるかたちとなるでしょう。実際のところ保険会社にとって見たらあまりいい運用とはいえないんですよね。
例として、返済方法・元利均等、返済期間・35年、金利タイプ・固定金利、当初金利(2年間適用)・1.000%、第二金利(残期間)・2.000%、融資手数料・1.05%、保証料・0円、というのがありました。
このほか住宅ローンは長期固定金利のフラット35というローンがありますが、これは2007年現在では銀行の他では、損保会社大手2社のみ(三井住友海上火災保険・あいおい損保)で扱っているようで、こういったローンを組むところを”保険会社・モーゲージバンク”と呼ぶそうです。これは預金を集めて融資をするのではなく、投資家に債権を売る証券化の手法を活用したローンを扱う会社のことで、住宅ローンの貸し出しを専業にする融資会社で、この3~4年の間に日本に登場した新しい銀行、融資会社ですね。
金利は損保2社では約2.8%ほど。保証料もなく最高8000万円ほどまで借りられる事があります。ただ、銀行などでもこの融資を受ける際は借入するために融資額の0.2%程度の保証料を事前に支払うか、または金利に上乗せして毎月支払う必要が出てきます。また、ローン残高の一部を早期に返済し、毎回の返済額をそのままにして返済期間を短縮する繰上返済の時、繰り上げ返済手数料がかかり、フラット35(保証型)の場合、金融機関によって繰上返済手数料が必要になる場合もあるようです。
その他融資手数料というのもかかり、損保会社では3000万円台で約1.5%の率でかかっています。
住宅ローンは銀行側では競争が激しくなってきているのですが、損保などの保険会社では印象として消極的といわざるを得ませんね。